気付いたのは28歳のとき。といっても自覚症状はまるっきりなかった。 ただ検査を勧められて、結果が陽性であることがわかったのだ。 それ以来経過観察をつづけること15年。 薬も変わってきたし、方法も変わってきた。治癒率も上がってきたので、ようやく治療に踏み切った次第だ。 15年前、兄が亡くなった。 Cで肝硬変から肝不全へ、ネフローゼを発症し、劇症肝炎の症状で亡くなったのがきっかけ。 当時はようやく非A非Bという名称からCへと変わったばかり。 ウィルスの姿がようやくわかったところ。無論治療方法などは五里夢中の状態だった。 実は、母もCだったのだ。 母は兄の出産の際に輸血を受け、黄疸を出している。その際に感染したのだろう。 だが、一般的に母子感染は無いといわれるC。 兄と私は一体どういう経路で感染したのだろうか。 輸血は無論のこと、血液製剤を使用するような治療を受けたこともない。 ピアスも入れ墨もしてないし、非合法な注射の回し打ちもしたこともない。 とすると考えられるのは、小学生のころの予防接種の回し打ちが一番可能性が高い。 当時は1本の注射器で、5人程度に打ちまわしていた。 恐ろしいことだ。 といっても、私自身も黄疸を出したり肝炎の症状がでることなく至っている。 こんなことから推測すると、現在100人に1-2人といわれるC患者はもっと多いのかもしれない。 私のように気が付いたのは結構ラッキーだったのかも。 その後数年して母が肝臓癌になった。幸い発見が早く、ラジオ波での治療で事なきを得た。 現在も再発していない。 大事にしていれば、問題ない。そもそもアルコールを飲めない(受け付けない)体質の私がこれ以上そんなに悪くなりようがない。 そう信じていた。 ところが、この数年、少しづつであるが肝臓の数値が悪化してきた。 勤務先で行っている年1回の定期検診(人間ドック)で担当者に最近のインターフェロンの治療効果について話を聞いた。 ペグイントロンとリバビリンの併用で確実に治癒率が上がってきているのだ。 しかも私のような1型で量が多いセロ1というタイプでも50-60%の治癒率だという。 その上、週1度の接種と投薬で治療を続けることができ、保険が適用される。 なら、やるべきではないか。 仕事を続けたまま、治療をして治るのであれば試して見ない手はない。 ウィルスが排除されれば、今後の心配ごとが一つ減るわけだ。 ということで、治療に踏み切った次第だ。 無論、はじめるにあたっては長年通ったクリニックから某病院に移らなければならなかった。 (クリニックじゃ土曜日の診察がないため) それに費用の面も考えなければならない。保険が利くとはいえ、48週の全てを終えると、途中の血液検査なども含めて都合100万近くは掛かるという。 少なくなったとはいえ、副作用も心配のタネ。 ともあれ、はじめてみないことには何も変わらない。 治療効果が現れることを期待しつつ、この治療記をつけることにした。 もし、このブログを訪れる人がいて、何らかの参考になればと思います。 #
by mintchoco_ma
| 2007-05-11 00:00
| 治療記
偏見はどうしてもある。
人間、判らないものに関して恐怖を抱くのは当然だ。 でも、知らないものについても恐怖だけで反応するのだ。 調べることもせずに。 で、病気は怖い。 知らない病気は余計怖い。 調べることもせずに怖がる。 で、偏見・差別が起きる。 先日、血液製剤での肝炎患者が訴訟に踏み切る為に実名を出した。当然顔も。 つまるところカミングアウトだ。 「大げさな。」と思った。だって、感染理由がわかっているのだから。 その反面「仕方ないよなぁ。よく踏み切った」とも思う。 場合によっては仕事を失い、家族を失うのだ。 私も似たような経験がある。 再就職で3ヶ月の試用期間中のことだった。 小さな会社だったが、とても面倒見のいい役員(中年女性)がいて、いろいろ相談に乗ってくれる。 私は、自分の足があまり丈夫でない(よく言えば丈夫じゃない。はっきり言って「足が悪い」)ことも相談した。 親身になって「この薬がいい」とか「新しい治療方法がある」などの話をしてくれる。 その3ヶ月の間に、Cの経過措置を見るために通院しなければならず、半日休みを取った。 で、その役員は心配して、どうしたのか聞いてきた。 ついつい信頼して、病気のことを話してしまった。 すると・・翌日にはその件が社長はおろか社員全員に広まっていたのだ。 挙句、年末の忘年会の席では、そもそもアルコールが飲めない私に社長は自分の飲んでいた酒を(グラスを)勧め、酔いに任せてこういったのだ。 「大丈夫大丈夫。エイズウィルスだって唾液をバケツ1杯飲んだって感染しないんだから」と大声で豪語。 みんな固まった。 翌月、私はその会社から退職勧告を受けた。 理由は、健康状態に不安があるので、正社員にすることができない。 そりゃ、会社にしたら健康な社員を入れたいと思うのは当然だ。 だが、どう考えてもあの酒宴からすると、偏見としか考えられない。 そんな経験が身にしみて、現在の勤務先では病気について話してあるのは、わずか3名だ。 どうしても何らかの迷惑を掛けてしまいそうな人。 それから似たような立場で病に立ち向かっている人。 Cで闘病している家族がいる人。 この3人だけだ。 にしても動きづらい。 軽~く話せればもっと治療に前向きになれただろうに。 で、自分にも言い聞かす。 知らないことはなんでも調べること。 調べないうちに判断しないこと。 #
by mintchoco_ma
| 2007-05-01 16:30
| misc
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